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Kodoriヒューマン・ストーリー
Otti
Ottiさんとは、マギーさんが15歳の頃からの長い付き合いだ。「初めて会ったとき、Ottiは大阪の有名なクラブでマネージャーをしてたの。それからパフォーマーになって、若いパフォーマーが活躍する場所をつくってる。でも、自分が一番すごいの。お芝居やミュージカル、歌舞伎が好きで、ずっと観てたりするのね。30年以上知ってるけど、ほんとにいろんな人に愛されてる。」

その後、Ottiさんは梅田で自分の店を始めて、2024年で20年になる。毎晩かならずドラァグクイーンのショーがあって、おいしい和食が食べられる店。Ottiさん自身も時々ステージにも立つ。圧倒的な存在感で、所作のひとつ、ひとつが美しく、華がある。
板前から、クラブのマネージャーに
クラブのマネージャーやる前は、9年くらい日本料理店で板前の修業をしていたんです。その頃に、ディスコにも通い始めたんですね。そのうち、クラブの人たちとも仲良くなって。決心して、板前を辞めてクラブで働き始めました。20代後半とまだ若かったから、それができたかもしれませんね。
今の店では、板前の修業もクラブでの経験も発揮できてます。これまでやってきたことが無駄にならなくてよかった。
極端なものが自然に自分のなかにある
海外のきらびやかなファッションや音楽も好きなんですけど、子どもの頃から日本の文化が大好きだった。お茶もお花もやって、お習字は3歳からずっと習ってて。だから、料理の仕事をしたいと思ったときも、日本料理しか考えなかったんです。
相反するもの、どっちも好きなんですね。極端なものが自然に自分のなかにあるんです。
そして、何かを見るときは、好きなものと、まったく興味ないもののどちらか。それははっきりしてますね。
数十年経ったら、わかる、かもしれない
板前の世界は体育会系で、厳しかった。でも、ありがとうございます、って御礼が言えるようになったし、礼儀も身につけられた。それはやったらだめよ、ということも。
先輩たちにも怒られましたが、昭和の人情みたいなのもあって。先輩といっても給料は少ないんですけど、給料入って飲みに行く、という時に、割り勘やから好きなもの頼め、と安心させて、結局はおごってくれたり。
うちの従業員にも、言わないといけないことは言って、けっこう厳しくしてますね。怒られたりしたら、面倒くさいな、と思ってると思う。でも、自分もそうだったし、それでいいと思ってます。そういうことは、10年、20年経ったら、わかるかもしれない。何年後かに思い出してもらえたら、それでいい。
内面が豊かになっていく楽しみ
この店は、ずっと続けていきますよ。毎日ここに来て、支度をして、店開けて。それをやれることが、自分自身の励みになるんです。
日々、いろんな反省はあるんですけど、自分の性格はたぶん根本的には変わらない。でも、年齢がいけばいくほど、それをフォローできる知識や経験を身につけていける。できることはたくさんあると思うんです。
若さはどんどんなくなっていくじゃないですか。でも、外見よりも内面が豊かになっていく楽しさというのがある。若い時はきれいにしていればよかったけど、10年後 20年後、40代 50代となったとき、気持ちが豊かになっていると思ったら、歳を取るのも嫌じゃなくなる。考え方が大事だなと思いますね。